京の夏の旅 夜間特別公開
「夜、金の秘密が見えてくる」

期間:6月26日から8月4日
時間:17時から21時まで(受付終了20時30分)
拝観料:900円

https://on-the-trip.com/news/75/

谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」に描かれている本当の金襖の美しさとはどの様な物か?という事を実際に皆様に体験して頂こうという趣旨で、今回の企画を始めさせていただきました。

蝋燭の灯り程の行燈(LED)の照明で、狩野永岳(江戸後期)によって描かれた「月と雁の図」「花鳥図」「中国文人の間」金襖絵を見て頂きます。作品が描かれた当時は、人々は蝋燭や行燈の中の薄明かりの中で、金の襖絵を見ておりました。その場合、現在の照明では、真の美しさは体験できません。今、忘れ去られてしまった、本当の金の美を皆様に体験して頂きます。

これに合わせて、方丈前庭「さざれ石の庭、別名、伊勢の庭」もライトアップさせて頂きました。今回は照明デザイナーの小川ユウキさんに光の設計をして頂きました。本来、主役である「さざれ石」は、昼間はその存在を隠しております。そこで夜その「さざれ石」に光を当て、再び主役として皆様に楽しんで頂きます。またこの庭の別名は「伊勢の庭」、全国でも唯一の伊勢神宮(内宮・外宮)を模した庭となっております。実際に、春光院の姉妹寺の慶光院は、伊勢神宮ないに存在しておりました。その為、第二次世界大戦終了まで、神宮から御師(おんし)と呼ばれる方が毎年、春光院を訪れて、儀式を行われておりました。

最後ですが、「光」と「陰翳」がテーマの今回の特別公開ですが、「宛名のない手紙」というもう一つの企画がございます。今まで胸に秘めて、光を当てていなかった(避けていた)自分の過去に光を再び当ててみるという趣旨です。手紙という形でもう一度その気持ち(過去)に向き合ってみる。そのことにより、今まで気づいていなかった過去の出来事の側面が見えてくる。またその出来事を現在と繋ぐ一貫性のあるストーリーにすることができる。人間は自分の人生や自我の概念をストーリーとして認識しているので、この「手紙」は自分の人生の新たな意味を見出すことを手伝ってくれます。そして、もしこれを他人と共有して良いという方は、本堂にある展示用の机に置いて行ってください。自分の過去を、他人を共有することは、他の人を勇気づけることができます。また人間は過去の出来事を、何故「自分だけ」に起きたのだろうかと考える傾向があります。しかし、他人の経験を知ることで、「自分は一人ではないんだ」と孤独から解放されます。この企画は、自分の整理をするだけでなく、利他にも繋がる企画であると思っております。

是非、此の特別公開中に当院を訪れて、今までに「光」を当てていなかったものに、「光」を当ててください。

妙心寺 春光院

副住職 川上全龍

京都市右京区花園妙心寺町42

電話番号 075-462-5488

最寄駅 JR花園駅 もしくは 京福電鉄妙心寺駅

バス停 京都バス 妙心寺前 もしくは 京都市バス 妙心寺北門前